考察:2 その背景

 

・オルレアンの噂を原典に持つと思われる「ダルマ女」の話だが、原典が有名な都市伝説だから

という理由だけで、これほど広まっている訳ではない。

その話に見え隠れする ”背景”が重要なのではないか?

 

1:何故「香港」なのか?

 

・日本人観光客が行く街なんて、世界各国いたる所にある。その中で、何故 ”香港”が舞台に

なったのだろうか?

 

・香港は人気ある観光スポットであり、日本から行くにも大変近い。

しかし、最近まで(或いは今でも)香港のイメージは「雑多で怪しい」場所ではないか?

ニセブランド品、九龍城、香港マフィア、麻薬シンジケート等々・・・表通りから一本外れると

ナニがあるか解らない。そんな「怪しさ」が、ある種の売り物だった時期もあった。

ここに生じるのが「日常と紙一重の不安」である。その不安によって湧き上がるのが「恐怖」である。

更に、雑多な街であるが故に「詳細な場所の特定」が出来ない。

もしこれが、NY、或いは都内の有名ブランド店だとしたらどうだろうか?話しても一笑に付されるだけだろう。

亜種の中には別な場所もあるが、その殆どが ”怪しさ”を持った街である。

更に、香港という街は比較的「女性の観光客が多い」という点も見逃せない。

 

2・何故「ダルマ」なのか?

 

・人身売買ならば、なにも手足を切られなくてもいいようなモノだが、何故ダルマにされるのか?

 

・生きながらにして手足を切られる、これは「自由の剥奪」とも捉えられる。

逃げられない、危害を加えられても抵抗すらままならない、それでも生きている。

まさに ”生き地獄”ではないだろうか?

また、話の中ではダルマ女を見世物にしたり性的玩具にする描写もある。

これは「自分の想像を超えた世界」に対する拒否反応を見込んだモノではないか?

しかし、本当に「想像を超えた世界」であれば、荒唐無稽な話としか思わない筈である。

 

この話を聞いて恐れた者は、ある共通の概念があるのでないか?

それは「ダルマ女の実在」である。

 

考察3:実例としてのダルマ女

 

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