米中枢部同時テロに関するデマ

 

2001年9月11日、史上類を見ない大規模なテロ行為が行われた。

ニューヨークに建つ、繁栄の象徴「世界貿易センター(WTC)」と、国防総省(ペンタゴン)に

ハイジャックされた旅客機が激突し、WTCのツインタワーは完全崩壊する、という事件。

 

この事件により、一説では6000人以上の被害者が出た、と言われている。

 

このような惨事があると、そこには必ず「デマ・都市伝説」が発生する。

 

1・ノストラダムスが、同時多発テロを予言していた

「2羽の金属の鳥」が「2兄弟」に激突し、「巨大な街が燃え上がり」

第3次世界大戦が始まると、ノストラダムスが予言していたというもの。

まさか、1999年7月を過ぎたってのに、こんな話が出てくるとは思いませんでした。

で、調べてみると・・・この予言詩自体がでっちあげ。

カナダの大学生が1997年に、「ノストラダムス風表現」のサンプルとして

ウエブ上に発表したものに、誰かが手を加えてばらまいたものだそうです。

 

2・「事件直前」の記念写真?

「事故直前のWTC展望デッキで撮影」と称してインターネット上にばらまかれた写真。

世界貿易センタービルの展望デッキでポーズを取る観光客の背後にハイジャック機

が迫っているのが見える。どう考えてもPhotoShopか何かで作った写真でしょう。

もし、ホントに撮ったとすると、どうやって入手したのか?って疑問があるしね。

同じような写真に・・・

「煙の中に、悪魔の顔が浮かび上がっている」という写真。

 

3・国防総省の焼け跡から、一冊の聖書が無傷で見つかった

聖書の持つ神秘性に訴えかけるような噂ですが、実際に燃え残った本はあったそうです。

但し、その本は「辞書」だったそうです。

 

4・「Microsoft Word」に隠された予告

Q33NYと大文字入力、Wingdingsフォントに変えると・・・

飛行機が二つのビルに突っ込むような記号、その後ろにドクロ、イスラエル国旗のマーク、と続く。

Wordを持ってる人は試してください。確かに、そんな図柄が出てきます。でも、これは完全に

「偶然の産物」です。Wingdingsフォントだと、Qには飛行機マークが当てられて、3には書類を示す

マークが当てられてるんです。で、NとYに関しては、1992年のワシントンポストに「NYCに住むユダ

ヤ人を死に追いやる秘密メッセージが何百万ものPCに」と書かれたほど有名な話があったんですよ。

これに関しては、Microsoftも「偶然の産物であり反ユダヤ主義でない」と、コメントしてます。

この話が伝わる時に「Q33とは、世界貿易センタービルの住所を示している」とか「ハイジャックされた

飛行機の便名だ」という話も付いてきますが、モチロン両方ともデタラメ。

*ちなみに、WTCに衝突した機の便名は「AA11」と「UA175」です。

 ハイジャックした残りの2機も「AA77」と「UA93」です。

 

5・新たなテロ行為に関するデマ

「無作為に選ばれた米国人のもとに、エボラ・ウイルスをしみこませたスポンジが青い封筒で送りつけられてくる」

こんなデマが、メールによってばら撒かれました。形としては「関東大震災時の朝鮮人虐殺」と同じですね。

 

何故、デマが発生するのか?

何か大きな事件が起きた時にデマが飛び交う現象は、「理解を超えた状況を受け入れるためのプロセス」ではないだろうか?

人々は真偽を問わず、ものすごいスピードで情報を交換しながら、なんとか状況を理解しようと努めるのではないか?

また、、荒唐無稽なデマが駆け巡る現象の裏には「恐怖や希望を何らかの形で表現したい」という人間の欲求が隠れて

いるのではないか?その中でも予言と重ねるデマには、人々にある種の安心感をもたらす作用がある。

「すべては説明のつかない、偶然の出来事で、いつ誰がどんな目に遭ってもおかしくない」と考えるのはとても恐ろしいものだが

「運命はあらかじめ定められている」と考える方が、少しは諦めがつく、という事ではないか?

しかし、その裏で今回のような事件報道の中では事件をある種の「エンターテインメント」と捉えてしまった者が、その渦中に

自分(の存在)を置きたいが為にトンデモないデマ写真・デマ情報を流した、という事も考えられる。

 

今回のような「人為による惨事」は、全人類が努力をして無くすべきだろう。しかし、自然の力による惨事は人類の力では

押さえきれないものである。もし、惨事に巻き込まれた時、アナタは冷静に情報を見極められますか?

 

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