食品系の噂

〜何故ハンバーガーの素材がミミズと言われたのか〜

 

「おい、知ってるか。○×バーガーさ、あれって”ミミズ”の肉を使ってるらしいよ・・・」

今や”都市伝説”にまでなってる「ミミズバーガー」の話である。

それ以前にもネコ・ネズミ等、色々な動物が素材になってきた。ハンバーガー以外でも某フライドチキンは四本足の鶏を使ってる

とか、某ビスケットに挟まってるクリームは牛の脂肪とか、その類の話は膨大な数である。何故、ここまで噂が後を絶えないのか?

 

1・最初の噂

 

大手バーガーショップが日本上陸をした頃、日本では「牛肉=高価な食品」であった。当時の人に「豪勢な食事は?」と訊くと、

間違い無く「ビフテキ」と答えが返ってきただろう。その牛肉を惜しげもなく使ったハンバーガーが手頃な値段で買える。これに

は何かワケがあるんじゃないか?と思うのは人情である。

 

私の記憶する限り、最初は「ネコ」だったと思う。「○○バーガーの裏に行ったら、ポリバケツ一杯のネコの頭があった。びっ

くりして声を上げたら店の人が出てきて ”この事は、どうか内密に・・・”と言われ5000円渡された。」って感じの話だった。

当時小学生だった私には衝撃的な話だったが「でも、ネコってあんなに旨いんだ・・・」と思ったのも事実。その後、あっち

の店はネズミとか、こっちじゃ新しい店が出来たら野良犬がいなくなったとか、それは様々な噂が飛び交った。更には「あの肉は

ネコだ。俺は戦争中に食った事あるから間違い無い」と言い出すジイサンまで出る始末。

 

その頃、私はある本でこんな言葉を知った。「羊頭狗肉」。そう、全ての噂はここから始まっている!

 

「羊頭狗肉」とは、中国の諺で「羊の肉と偽ってキツネの肉を売る。転じて外ズラばかりで実が伴わない」って意味の言葉。

昔の中国では(今でも場所によっては)肉屋の店頭に豚や羊の頭を置いて「これは、この豚(羊)の肉です。」とディスプレイする習慣

があったらしい。客はそれを見て安心して肉を買う、ってワケ。でも、羊の肉は仕入れも高いから、キツネでも捕まえてきて羊の頭の

所に捌いて置けば客は騙されて買う。で、儲ける。そんな悪徳業者もいたんですねぇ・・・

つまり、余りに安く(実際はそれほどでもなかったと記憶してるが・・・)牛肉が食える→これはおかしい→羊頭狗肉ではないか?

→でも、キツネなんて街中にいない→ネコ(ネズミ)で代用。ってメカニズムでしょうな。

 

2・噂の進化

 

そのうち、大量生産によるコストの削減とか、実は牛肉は安い(あれって、加工して輸入すると関税が違うらしいから)とかって”タネ明かし”

がされて、噂は沈静化の一途を辿った。しかし、ここに新しいファクターが入ってきた。”200カイリ問題”である。

 

漁獲資源の確保という大義名分(実際は、ドロドロした経済・領土問題らしいけど・・・)の下、経済水域が沿岸200海里と定められ、

漁業大国日本はマコトに困った。どうやってタンパク質を摂るか・・・肉の関税を下げる?でも、まだまだ高い・・・なにか代替食材は

ないか?って事で、色んな研究がされた。大豆タンパクを使った「人工肉」とかクロレラとか・・・その中に「食用ミミズ」というのが

あった。比較的繁殖の容易なミミズを食用にすれば、わが国のタンパク不足は解消できる、と研究され、実際に食えるミミズの試験

的な繁殖も始まった。しかし、これはミミズだよ、と言われて食えるか?という問題があった。結局、試験段階までの話に終わった。

この話の中へある情報が入る。挽肉の形状である。挽肉を作るのはブロック肉を機械に入れ、レンコンのような出口から「ニョロ〜」

っと出てくるのである。そう!まるでミミズのように・・・この形状から、挽肉の事を「ミミズ」と呼ぶ人もいた。ここまでくれば簡単である。

近い将来、ミミズを食う状況になるかも・・・という不安感があれば、その中から噂は再び復活する。

こうして出来たのが「ミミズバーガーの噂」である。

実際、ミミズを使ってハンバーガーを作るとなると、そのコストから「とても市販できる価格」にはならないらしいです・・・

 

3・何故、ハンバーガーが狙われた?

 

しかし、何故ハンバーガー業界がターゲットになってしまったのか・・・

恐らく「敗戦」が大きい理由だろう。戦後、アメリカの徹底的な占領計画によって”文化の根源”である食生活まで変えられた日本。

それを苦々しく思いながらも受け入れざるえなかった日本人。しかし、新しい世代(所謂”戦争を知らない子供たち”)は、その”異

文化”を自分たちの文化としてスムーズに受け入れる。その世代交代の時期、つまり”文化の変遷”の時期に起きる漠然とした不

安感。そこに上陸したハンバーガー。きっとバーガーショップは、敵の前線基地に見えた事だろう。つまり、ハンバーガーをターゲッ

トにする事によって「代理戦争」を行ったワケですよ・・・多分ね・・・

 

4・おまけ

 

その他の食品に関する噂です。

・手首ラーメン・・・ある屋台のラーメンで、出汁を取るのに人の手首を使った、って話。これは実際にあった事件で、ヤクザもんが人

を殺してその証拠隠しに下っ端がやってるラーメン屋台の寸胴鍋の中で手首を煮込んだんですよ。これは、当時(20年以上前?)の

新聞でもTVでも大々的に取り上げられたから間違いないです。ただ、実際には、そのスープを使って商売はしなかったらしいけど。

 

・四本足の鶏・・・某フライドチキンチェーンでは、遺伝子操作で四本足の鶏を作り、それを使ってる。って話。

胸肉のフライの数とモモ肉のフライの数が釣り合わないから、って根拠らしいが・・・どう考えても胸とかその他の肉は「ナゲット」とかに使

ってるんじゃないか?それに、そんな鶏が開発するコスト考えると、商売にならないだろ?

 

・人肉ハンバーグ・・・これも実際にあった話です。家庭用のハンバーグを作る工場で、作業員の一人が誤って機械に指を挟み、第一関

節から上を切断してしまった。その指がハンバーグの中に入ってしまい、知らないで買った(そりゃそうだ!)人が食べて驚いた!って話。

これもTVでは「実物の指の写真つき」で報道されてました。思えば、この事件が”遺物混入”の先駆けかな?

 

その他にも、色々とありますが・・・キリがないです・・・

 

*訂正・・・羊頭狗肉の「狗肉」は、キツネではなくイヌでした・・・反省&お詫び

*戻る

[PR]動画