はじめに・・・

言うなれば「序文」

 

 噂やデマの歴史は古い。恐らく人類が情報伝達の手段として「言葉」を持った時から始まっているのではないだろうか?

記録が残ってないから確かな事は言えないが、恐らく最初は「○○の森にある木の実は旨い」とか「××の谷は獲物が沢

山獲れる」といったモノではなかったか?

それらは一種の「生活情報」なのだが、その中には多分に噂やデマも含まれていた、と考えるのは容易い事だ。

 

 ある集落の近くに、人の足では近づけない険しい山があったとする。ある日、その山に一匹の鳥が降り立つのを見た男が

いたとしよう。もし、その男が空腹だったらこう考えるだろう。

「旨そうな鳥だ。きっとあの山に巣があって、そこには卵があるのだろう・・・。」

この男が集落の仲間にこう話す。

「あの山には旨そうな鳥の巣があるに違いない。きっと、その卵も旨いだろう。」

これを聞いた仲間は、それを食べたいと思うだろう。しかし山は険しく、それは叶わない事を悟る。

思いは募るが手は届かない。頭の中では「旨い鳥」と「旨い卵」という不確かな情報だけが増幅されていく。その「叶わない希

望」を誤魔化す手段として「他人に話す事による仮想体験」をする。

しかし、この段階で頭の中には空想の物語が出来あがってる可能性がある。

・・・ここまで来れば話は早い。あとは語り部の演出力と表現力だけである。

 

 こうして「幻の鳥」の伝説が出来あがる。その後、様々な語り部の演出が付き、話は壮大なモノへと進化していく。

ここまでだったら、単一集落内での伝承になるのだが、ここに「広範囲に及ぶ情報の伝達」が入りこむと、その進化は加速する。

集落内だったら、「あの山」は皆が認識しているが、「あの山」を知らない者だと、唯一確かな情報である「あの山の姿」でさえ「想

像の産物」になるのだ。

 

いつか伝説はひとり歩きをし、様々な演出や派生を生み、様々な場所で「全く別な話」となって語り継がれる。

 

 人間は言葉を発明し、その後に文字、印刷、電話、無線通信、TV,インターネットと、様々な情報伝達手段を発明してきた。

新しい発明は「スピード」と「情報量の多さ」がウリになり、それは同時に「話の成長」も加速する事になる。

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ま、オカタイ文章になっちまいましたが、製作者はイイカゲンにテキトーを振り掛けてノンベンダラリで味を整えるつもりが捉え所の

ない大味になっちまったような男なんで、酒でも呑みながらダラダラと見てやってください。

 

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